当院にいらっしゃる方で、鉄分不足からくる身体のお悩みはとっても多いです。
そこで今回は、鉄不足による身体の影響と、改善方法についてお伝えします。
鉄分が足りない女性
毎月失われる鉄
鉄不足という点で、女性は男性よりも不利です。
そう!
毎月の生理によって失血してしまうので、そこに含まれる鉄分も毎月失われているから。
データによると、生理のある女性の実に
6割
のかたが貧血傾向なのだとか。(かくれ貧血含む)
出血の量が多い場合
また、生理のときの経血量が多いと、当然ですが貧血や鉄分不足になりがちです。
経血量が多い場合、
子宮内膜症
子宮筋腫
などの疑いがありますので、専門の病院などを受診してみましょう。
ちなみに、『過多月経』と呼ばれる出血量の目安は、
- 1回の生理の経血量140ml
- レバー状の塊が2日続く
となっています。
鉄分が足りないとどうなる?
鉄不足で「くすみ肌」
お肌が健康的な肌色をしているのは、赤い血液が皮膚から透けてみえるから。
この「赤色」は血液中のヘモグロビンによるものなのですが、鉄不足になるとヘモグロビンが減ってしまい、肌の色が青っぽくなり、くすんでしまうのです。
乾燥肌になりやすい
血液の中に鉄分が足りなくなると、血液の流れが滞りがちに。
すると、お肌に栄養が届きにくくなるので、潤いを維持するための
- ヒアルロン酸
- エラスチン
- コラーゲン
が不足するので、結果的に肌が乾燥に傾くのです。
皮膚がたるんでくる
鉄分は筋力の維持にも関わっています。
鉄分が足りなくなると筋力が落ちるので、お肌のハリを維持できません。
するとお顔だけではなく、全身的に
たるみ
が目立つようになり、年齢以上に老化した印象になってしまいます。
メンタルにも影響
鉄不足による身体へのダメージはまだまだあるのですが、それとともに深刻なのは
精神状態
への影響。
- イライラしやすくなったり
- 不安感が強くなったり
- 鬱っぽくなったり
というのは、みなさん生理前に感じるかたも多いと思います。
この状態が、生理前だけではなく日常的に感じられるようになるのが、鉄不足による精神状態です。
もし心当たりがあるなら、カウンセリングや心療内科とあわせて、鉄不足を疑ってみましょう。
鉄分を効果的に補うには
サプリより食べ物
サプリメントもいろいろありますが、基本的な食事から見直すのがオススメです。
というのは、鉄をサプリで補充しても、それを吸収して、必要な形に変えて、身体の隅々にまで届ける過程において、鉄だけでは足りない栄養素があるから。
そのすべてをサプリで摂るとなると、たいへんなことになります。
ですから食事のほうが安上がりで、しかもアレコレ考えなくてもいいのでおすすめです。
ヘム鉄と非ヘム鉄
食事で鉄分を補給するとき、
- ヘム鉄
- 非ヘム鉄
について知っておくと便利です。
ヘム鉄の特徴
- 吸収率が高い(平均20%)
- レバー
- 牛肉
- マグロ
- いわし
- カツオ
- 赤貝
非ヘム鉄の特徴
- 吸収率が悪い(5%)
- 小松菜
- ほうれん草
- レンズ豆
- 大豆
- 小豆
- 納豆
- 豆腐
- ひじき
バランスが大事
吸収率が高いからといって、ヘム鉄を含んだ動物性の食品ばかりを摂るのはおすすめできません。
健康面でも美容面でも、バランスが大切です。
人間の身体は鉄や亜鉛、カルシウムなど名前のついた成分だけでできているわけではないからです。
まだまだ分かっていない人間の身体。
食品からバランスよく栄養を摂取することで、目に見えない微量の栄養素も摂ることができます。